MiiTel と Genesys Cloud をリアルタイム連携させることで、通話中の音声をリアルタイムに取得できます。取得した音声は、音声認識や感情分析などの MiiTel の機能を Genesys Cloud 上の通話にも適用できます。本記事では、連携の仕組みと設定手順を説明します。
この機能を利用するには ?
- 設定には、管理者権限が必要です。
- Incoming Webhookの契約が必要です。
- リアルタイム文字起こしの契約が必要です。
- 本機能を利用したい場合は、弊社担当営業までご連絡ください。
- Genesis Cloud の AudioHook Monitor (有料アドオン) が必要です。契約状況は Genesys の営業担当に確認してください。
目次
- 1. 連携の全体像を確認する
- 2. Genesys Cloud 側の設定を確認する
- 2-1. AudioHook Monitor の有効化
- 2-2. OAuth クライアントを作成する
- 2-3. Notification の WebSocket 利用条件を確認する
- 2-4. 音声モニタリングを設定する
- 2-4-1. 外部トランクを設定する
- 2-4-2. キューを設定する
- 3. MiiTel Admin で連携を設定する
- 3-1. Incoming Webhook を設定する
- 3-2. 基本設定を登録する
- 3-3. ユーザーを紐づける
- 4. 発信時の注意点を確認する
- 4-1. キューの代わりにコールを発信する (Call on Behalf of Queue)
1. 連携の全体像を確認する
MiiTel と Genesys Cloud の連携は、以下の 4 つの要素で構成されています。
| No. | 要素 | 役割 | プロトコル |
|---|---|---|---|
| ① | OAuth 2.0 認証 | MiiTel が Genesys Cloud API にアクセスするための認証、および、認可 | Client Credentials Grant |
| ② | AudioHook Monitor | 通話中の音声をリアルタイムに MiiTel サーバーへストリーミングする | wss:// (WebSocket) |
| ③ | Notification API | 通話の開始、終了、状態変更などのイベントをリアルタイムに通知する | WebSocket Channel |
| ④ | ユーザーマッピング | Genesys Cloud ユーザーと MiiTel ユーザーの紐づけ (活動履歴の担当者関連付け) | MiiTel Admin で設定 |
2. Genesys Cloud 側の設定を確認する
Genesys Cloud 側で以下の機能、および、設定をあらかじめ確認してください。
2-1. AudioHook Monitor を有効化する
AudioHook Monitor は、通話中の音声をリアルタイムに WebSocket (wss://) 経由で外部サーバーへストリーミングする Genesys Cloud のプレミアム機能です。
利用条件
- ライセンス:AudioHook Monitor はプレミアムアプリケーション (有料アドオン) です。利用にはライセンスの購入が必要です。契約状況は Genesys の営業担当に確認してください
- 課金:アクティブな AudioHook Monitor インテグレーションごとに、通話中のストリーミング時間に応じた従量課金が発生します
- AudioHook Monitor は、Genesys Cloud AppFoundry からのインストールが必要です
必要な権限
-
Integrations > Integration > Add(インテグレーションの追加) -
Integrations > Integration > Edit(インテグレーションの編集) -
Integrations > Integration > View(インテグレーションの参照)
これらの権限は、既定の Admin ロールに含まれています。カスタムロールを使用している場合は、上記の権限が付与されていることを確認してください。
制限事項
- 1 つの Genesys Cloud 組織で作成できる AudioHook Monitor インテグレーションは最大 5 つです(変更不可)
- ストリーミングチャネルは、必ず Both (ステレオ) を選択してください
設定手順
- Genesys Cloud の AppFoundry にアクセスし、[AudioHook Monitor] を検索してインストールします。
- インテグレーション設定画面の [Connection URI] に、MiiTel から提供される WebSocket URI (wss://…) を入力します。[Channel] は [both] を選択してください。 (WebSocket URI は RevComm 担当からご連絡します)
- [資格情報] の [設定] をクリックし、MiiTel から提供される API Key を入力して [確認] をクリックします。 (API Key は RevComm 担当からご連絡します)
- 設定を保存し、インテグレーションを有効にします。
確認チェックリスト
- AudioHook Monitor のライセンスを契約済みである
- AppFoundry から AudioHook Monitor をインストール済みである
- 設定担当者に上記の権限 (または Admin ロール) が付与されている
- 連携対象の外部トランクで「このトランクのコールをレコーディング」が有効になっている
2-2. OAuth クライアントを作成する
MiiTel が Genesys Cloud Platform API にアクセスするために、OAuth クライアント (Client Credentials Grant Type) を作成する必要があります。
利用条件
OAuth クライアントの作成は Genesys Cloud の標準機能です。追加ライセンスは不要です。
必要な権限
-
OAuth > Client > Add(OAuth クライアントの新規作成) -
OAuth > Client > Edit(OAuth クライアントの編集) -
OAuth > Client > View(OAuth クライアントの参照)
これらの権限は、既定の Admin ロールに含まれています。
Client Credentials Grant Type の設定要件
- OAuth クライアントに割り当てられるロール、および、ディビジョンのペアは、作成者自身が持つロール、および、ディビジョンの範囲内に限られます。
- トークンの有効期間は 300 から 172,800 秒 (5 分から 48 時間) の範囲で設定できます。
- HIPAA 準拠組織の場合は、アイドルタイムアウトが 15 分に制限されます。
MiiTel 連携に必要な OAuth クライアントのロール (参考)
MiiTel との連携に必要な主なスコープ、および、権限は、連携する機能によって異なります。最低限、以下のカテゴリの権限が必要になる場合があります。
- Conversation 関連 (通話情報の取得)
- Notification 関連 (WebSocket 通知の利用)
- Analytics 関連 (通話分析データの取得、必要に応じて)
設定手順
- Genesys Cloud の OAuth にアクセスし、[クライアントを追加] をクリックします。
- [アプリ名] を入力し、[付与タイプ] で [クライアントの資格情報] を選択して [次へ] をクリックします。
- [役割の割り当て] で [integrationServer] と [Supervisor] にチェックを入れ、[次へ] をクリックします。
- トークンの有効期間に 86400 と入力し、[保存] をクリックします。
確認チェックリスト
- OAuth クライアントを作成できる権限 (または Admin ロール) を持つユーザーがいる
- 作成者が、MiiTel 連携に必要なロール、および、ディビジョンを自身に保持している
2-3. Notification の WebSocket 利用条件を確認する
Genesys Cloud Notification API は、リアルタイムイベント (通話の開始、終了、ステータス変更など) を WebSocket 経由で受信するための機能です。
利用条件
- Notification API (WebSocket) は Genesys Cloud の標準機能です。追加ライセンスは不要です。
- Platform API へのアクセス権 (有効な OAuth トークン) があれば利用できます。
認証要件
- WebSocket チャネルの作成には、有効な OAuth アクセストークンが必要です。
- チャネル作成 API:
POST /api/v2/notifications/channels - 接続時は、レスポンスに含まれる
connectUriに対して WebSocket 接続を確立します。
必要な権限
-
Notifications > Channel > Create(通知チャネルの作成) - 各トピックに対応する権限 (サブスクライブするトピックの種類に応じた権限が必要。例: 通話関連のトピックには Conversation 関連の権限)
制限事項
| 項目 | 制限値 |
|---|---|
| 1 ユーザーあたりの最大チャネル数 | 20 チャネル |
| 1 チャネルあたりの最大トピック数 | 1,000 トピック |
| トピック文字列の最大長 | 200 文字 (ワイルドカード結合時) |
- チャネル数が上限 (20) に達した場合、新しいチャネルを作成するとアクティブな接続がない最も古いチャネルが置き換えられます。
- 同一プレフィックスのトピック (例: users) はワイルドカードで結合することで、トピック数を節約できます。
確認チェックリスト
- Platform API へアクセスできる OAuth クライアントが用意されている
- 必要なトピック (通話イベントなど) に対応する権限が OAuth クライアントのロールに含まれている
2-4. 音声モニタリングを設定する
AudioHook Monitor の音声ストリーミングを実施するためには、事前の設定が必要です。
2-4-1. 外部トランクを設定する
AudioHook Monitor が機能するには、連携対象の外部トランクでトランクサイド録音 (「このトランクのコールをレコーディング」) が有効になっている必要があります。有効になっていない場合、キュー設定や Architect アクションによる音声モニタリングは動作しません。設定方法は「テレフォニー > 外部トランク > 対象トランクを選択 > メディア」から確認してください。
- 「このトランクのコールをレコーディング」にチェックを入れます。
- オプションのレコーディングで「保留中」「外部転送呼」の両方にチェックを入れます。
2-4-2. キューを設定する
対象のキューを開き、AudioHook Monitor を関連付けます。そのキューに入るすべてのインタラクションに自動的にストリームが適用されるため、キュー単位で一括適用したい場合に適しています。連携するにあたり、[呼び出し元の番号] に電話番号を入力してください。
3. MiiTel Admin で連携を設定する
Genesys Cloud 側の事前準備が完了したら、MiiTel Admin で連携を設定します。
3-1. Incoming Webhook を設定する
Incoming Webhook の利用を許可したユーザーを、Genesys Cloud 上のユーザーと紐付けます。
紐づけたい MiiTel ユーザーに対して、Incoming Webhook を設定してください。
3-2. 基本設定を登録する
Genesys Cloud の OAuth クライアント情報を MiiTel に登録し、API 接続を確立します。
- MiiTel Admin にアクセスします。
- [外部連携] > [Genesys Cloud] をクリックします。
-
[基本設定]タブで、以下の項目を入力します。
項目 説明 クライアント ID Genesys Cloud で作成した OAuth クライアントのクライアント ID を入力 シークレットキー Genesys Cloud で作成した OAuth クライアントのシークレットキーを入力 リージョン Genesys Cloud 組織のリージョンをドロップダウンリストから選択 (例: Asia Pacific (Tokyo) )
- すべての項目を入力し、 [保存] をクリックします。
クライアント ID とシークレットキーは、Genesys Cloud の Admin > Integrations > OAuth で作成した Client Credentials タイプの OAuth クライアントから取得できます。リージョンは Genesys Cloud 組織が所属するリージョン (例: Asia Pacific (Tokyo) など) を選択してください。
3-3. ユーザーを紐づける
Genesys Cloud 上のユーザーと MiiTel のユーザーを紐づけます。この設定により、活動履歴の担当者として正しいユーザーが関連付けられます。
- MiiTel Admin にアクセスします。
- [外部連携] > [Genesys Cloud] をクリックします。
- [ユーザー管理] タブをクリックします。
- Genesys Cloud から取得したユーザー一覧が表示されます。
- 紐づけたい Genesys ユーザーの行の [編集] をクリックします
- [割当設定] ダイアログが表示されます
- [ユーザーを選択] のドロップダウンリストから紐づけたい MiiTel ユーザーを選択し、[追加] をクリックします。(ユーザー設定で Incoming Webhook の利用が許可されている MiiTel ユーザーだけが表示されます)
- 追加したユーザーが一覧に表示されます。
- 内容を確認し、[保存] をクリックします
NOTE
- [保存] をクリックした後、ユーザーの紐づけはすぐには完了しません。1 時間程度かかる場合があるため、ご注意ください。
- 割り当てを解除する場合は、割当設定ダイアログ内の [割当解除] をクリックしてください。
- 基本設定が完了していない場合、ユーザー管理タブに移動できません。先に基本設定を完了してください。
4. 発信時の注意点を確認する
4-1. キューの代わりにコールを発信する (Call on Behalf of Queue)
エージェントが通常どおり手動で発信した通話は、既定ではどのキューにも紐づかないため、AudioHook Monitor のストリーミング対象外です。発信通話にもリアルタイム音声認識や感情分析を適用したい場合は、「キューの代わりにコールを発信する (Call on Behalf of Queue) 」機能を使い、通話を明示的にキューへ紐づける必要があります。
手順
- エージェントワークスペースで [新規通話を開始] をクリックします
- [キュー] 欄に発信対象のキュー名を入力し、選択します
- [番号または連絡先を入力] 欄に発信先の電話番号 (省略や、内線番号だけの入力は不可) 、または、連絡先名を入力します
- [発信] をクリックして通話を開始します。
確認チェックリスト
- 発信に使用するキューでオーディオモニタリングが有効になっている
- 発信担当者が上記のキューグループに含まれている
- 発信は必ず「On Behalf of Queue」から行う運用になっている