このページで紹介するフローを作成して使用すると、発信先不明な電話番号から着信を受けた時に以下の作業が簡単にできます。
- 新規取引先責任者レコードの作成画面に発信元電話番号が自動挿入され、簡単にレコードが作成できる
- 新規ケースの作成画面に発信元電話番号が自動挿入され、簡単にレコードが作成できる
この機能を利用するには ?
- Lightning Experience 版の Salesforce でだけ利用できます。
目次
Step 1: フローの作成
まず、新規ケースと新規取引先責任者のレコードとして Salesforce 未登録電話番号を登録する方法を選択します。
- Salesforce のシステム管理者のプロファイルを持つユーザーでログインします。
- Salesforce 画面右上の [設定] から [設定] をクリックします。
- 設定画面左上の検索ボックスで [フロー]を検索し、検索結果から [フロー] をクリックします。
- フロー画面右上の [新規フロー] をクリックします。
- 新規フロー画面から [画面フロー] をクリックし、右下の[作成]をクリックします。
Step 2: パラメータ挿入先の変数の作成
次に Salesforce 未登録電話番号を登録する項目に設定する変数を作成します。
- [新規リソース] をクリックします。
- 以下のように設定し [完了] をクリックします。
- リソース種別: 変数
- API 参照名: ANI
- データ型: テキスト
- フロー外部での可用性: 入力で使用可能
Step 3: 画面要素の追加
Salesforce 未登録電話番号から着信があった際に表示される、入力項目を作成します。今回は、姓名と件名を手動で入力する項目と電話番号が自動入力される項目を作成します。
- 「画面フロー」の下に表示されている [ + ] をクリックします。
- 要素を追加から [画面] をクリックします。
- 設定画面右側で以下を設定します。
- 表示ラベル: 新規ケース
- API 参照名: CreateCaseScreen
- 設定画面左側で「テキスト」を検索し [テキスト] コンポーネントを設定画面中央へドラッグします。
- 設定画面右側で追加したテキストコンポーネントに以下設定します。
- 表示ラベル: 姓
- API 参照名: LastName
- 4 - 5 を繰り返し以下のテキストコンポーネントを作成後、右下の [完了] をクリックします。
表示ラベル | API 参照名 | デフォルト値 |
---|---|---|
名 | FirstName | |
電話番号 | Phone | {!ANI} |
件名 | Subject |
Step 4: レコードの作成
次に、Step 3 で作成した項目を適切なレコード項目と紐付けます。
- 「新規ケース 画面」の下に表示されている [ + ] をクリックします。
- 要素を追加で [レコードを作成] をクリックします。
- 以下の各項目を設定後 [完了] をクリックします。
1表示ラベル: 追加するフローステップの表示名を「新規取引先責任者作成」と設定する
2API 参照名: 追加するフローステップの API 参照名を「CreateContact」と設定する
3レコード項目の設定方法: [個別のリソースおよびリテラル値を使用] を選択する
4オブジェクト: [取引先責任者] を設定する
5取引先責任者の項目値を設定: 以下の項目と値を設定する ([項目を追加] をクリックして項目を追加しながら設定する)
項目 | 値 |
---|---|
LastName | LastName |
FirstName | FirstName |
Phone | Phone |
- 「新規取引先責任者作成」の下に表示されている [ + ] をクリックします。
- 要素を追加で [レコードを作成] をクリックします。
- 以下の各項目を設定後 [完了] をクリックします。
1表示ラベル: 追加するフローステップの表示名を「新規ケース作成」と設定する
2API 参照名: 追加するフローステップの API 参照名を「CreateCase」と設定する
3レコード項目の設定方法: [個別のリソースおよびリテラル値を使用] を選択する
4オブジェクト: [ケース] を設定する
5取引先責任者の項目値を設定: 以下の項目と値を設定する ([項目を追加] をクリックして項目を追加しながら設定する)
項目 | 値 |
---|---|
ContactId | ContactId |
Priority | Medium |
Status | New |
Subject | Subject |
Step 5: フローの有効化
作成したフローを有効化し利用できる状態にします。
- 以下の画像のようにフローができているか確認後 [保存] をクリックします。
- 「フローを保存」で以下のように設定後 [保存] をクリックします。
1フローの表示ラベル: 「不明者から入電のケース作成」と設定
2フローの API 参照名: 「UnknownCaller」と設定
- [有効化] をクリックします。
Step 6: ソフトフォンレイアウトへの適用
最後に、Salesforce 未登録電話番号から着信を受けた際に作成したフローが動作するよう画面ポップを設定します。
- 画面左上の [ ← ] をクリックします。
- 画面左の「クイック検索」で [ソフトフォンレイアウト] 検索し、クリックします。
- MiiTel を使用しているソフトフォンレイアウトの [編集] をクリックします。
- 「通話種別を選択する」に [着信] を設定します。
- 画面ポップ設定の [レコードの一致なし] をクリックします。
- [フローにポップ] をクリックし [不明者から入電のケース作成] を設定します。
- 画面上部にスクロールし [保存] をクリックします。
画面ポップの使用方法については「Salesforce の画面ポップ機能を利用する (Lightning Experience)」を確認してください。
オプション設定 1: コンソールアプリケーションの使用
コンソールアプリケーションを使用すると 1 画面で複数のレコードや関連先を下図のように確認できます。
このページで紹介した機能を利用する場合、このコンソールアプリケーションを利用を推奨しています。 (参考: コンソールアプリケーションと標準アプリケーションの違い)
利用する場合は、以下手順で設定してください。
- Salesforce のシステム管理者のプロファイルを持つユーザーでログインします。
- Salesforce 画面右上の [設定] から [設定] をクリックします。
- 設定画面左上の検索ボックスで [アプリケーションマネージャ] を検索しクリックします。
- [新規 Lightning アプリケーション] をクリックします。
- 以下を設定後 [次へ] をクリックします。
1アプリケーション名: 作成するコンソールアプリケーションの名前を入力する
2API 参照名: 半角英数で API 参照名を設定する
- 次に「ナビゲーションスタイル」で [コンソールナビゲーション] を選択後 [次へ] をクリックします。
- 以下設定を行い作成するコンソールアプリケーション上に MiiTel Phone が表示されるように設定します。
1ユーティリティバーの配置: MiiTel Phone を Salesforce 画面右下、または、左に表示するか設定
・ デフォルト: 左下
・ ミラー化: 右下
2表示ラベル: MiiTel Phone
3自動的に開始: チェックを入れ、Salesforce にログインすると、自動的に MiiTel Phone が起動し着信可能な待機状態になります。
- 「ナビゲーション項目」の設定画面で作成するコンソールアプリケーションに表示させたい項目を左から選択し [ ▶︎ ] をクリックして右のボックスに追加します。
- 設定後、[次へ] をクリックします。
- 「ナビゲーションルール」の設定画面で各項目の表示方法を設定後 [次へ] をクリックします。
- 最後に「ユーザープロファイル」の設定画面で作成するコンソールアプリケーションの利用をどのユーザープロファイルに許可するか設定します。
- 設定後 [保存して終了] をクリックします。
- [アプリケーションランチャー] をクリックし、作成したコンソールアプリケーションを検索して開きます。
作成したコンソールアプリケーションを確認します。
オプション設定 2: 新規ケース作成後にそのケースを表示する設定
本ページで紹介したフローの作成、設定すると、Salesforce 未登録電話番号から着信を受けた後にその電話番号を新規ケースとして登録できます。登録後、そのケースが表示される設定をすると通話中に顧客情報やその他必要情報を入力できます。新規ケース作成後にそのケースを表示するには、以下の手順で設定します。
- Salesforce 画面右上の [設定] から [開発者コンソール] をクリックします。
- [File] > [New] > [Lightning Component] をクリックします。
- [Name] に「OpenCaseRecord」と入力後 [Submit] をクリックします。
- ダイアログ右側のリストで「COMPONENT」をクリックし、以下のコードを入力します。
<aura:component implements="force:lightningQuickAction,lightning:availableForFlowActions">
<aura:attribute name="recordId" type="String" />
</aura:component>
- 次に、画面右側のリストで「DESIGN」をクリックし、以下コードのコードを入力します。
<design:component>
<design:attribute name="recordId" label="Record ID" />
</design:component>
- 次に、画面右側のリストで「CONTROLLER」をクリックし、以下コードのコードを入力します。
({ invoke : function(component, event, helper) {
// Get the record ID attribute
var record = component.get("v.recordId");
// Get the Lightning event that opens a record in a new tab
var redirect = $A.get("e.force:navigateToSObject");
// Pass the record ID to the event
redirect.setParams({
"recordId": record
});
// Open the record
redirect.fire();
}})
- [File] > [Save All] をクリックします。
- Salesforce 画面右上の [設定] から [設定] をクリックします。
- 設定画面左上の検索ボックスで[フロー]を検索し、検索結果から [フロー] をクリックします。
- 本ページの Step 1 - 5 で作成した「不明者から入電のケース作成」をクリックします。
- 「新規ケース作成」の下に表示されている [ + ] をクリックします。
- 「アクション」に「OpenCaseRecord」と入力し Enter キーを押します。
- 以下のように設定後 [完了] をクリックします。
1表示ラベル: 「ケースを開く」と入力
2API 参照名: 「OpenCaseRecord」と入力
3トグルスイッチをクリックして ON にする
4Record ID: {!CreateCase}
と入力
- [別名で保存] > [保存] > [有効化] をクリックします。